「Googleアップデートきた?」
「ウチ、ダダ下がりなんだけど!」
「コアアルゴリズムアップデート?GRCで全コンテンツがぶっ飛んだわwww」
など、連休明けの8月11日火曜日。朝からSNS、DMでこんな連絡が相次ぎました。
弊社でお手伝いしている十数サイトでも、前日まで検索上位をキープしていたクエリが数十ランク~圏外にダウンするなど、朝から心臓に悪い出来事に情報収集や状況の把握に時間を費やしました。
一時は「Yahoo」と検索してYahooトップが5位、「サーチコンソール」と検索してサーチコンソールのログイン画面が8位など、通常では考えられない検索結果が続き、悲観的な意見、阿鼻叫喚がタイムラインに並びました。
午後になって、Googleのジョン・ミューラーさんが、正式に「バグ」であると発表し、騒動は一旦収束しました。
詳細はまだわかりませんが、これは私たちの問題であり、修正されたようです。
誰かが他の2020の問題を修正できれば、それは素晴らしいことです。
また、Google Webmastersのtwitterも日本時間8月12日の午前1時前に下記のようなコメントを出しました。
月曜日に、Googleの検索結果に影響を与えるインデックスシステムの問題を検出しました。問題は特定され、サイト・リアラビティ・エンジニアによって迅速に対応、修正され、現在は軽減されています。 お待ちいただいてありがとうございます!
ということで「今回のGoogle大変動はアップデートではなかった」ということになりますが、近々アップデートがあると考えています。
理由はいくつかありますが、まずは2020年5月のコアアルゴリズムアップデート以降の特定のクエリにおける不具合が依然改善されていないことです。ブログとnoteにも書いたのですが、お手伝いしているECサイトいくつかの商材において「◯◯ 通販 送料無料」という検索で、上位45/50位が楽天市場を占めるクエリがあるなど、あり得ないような状況が続いていました。
また、サーチコンソール上「◯◯ 通販」や「◯◯ 通販 送料無料」で上位に順位がついているのに検索結果には見当たらない、いわゆるサンドボックス現象や、上位10位以内をキープしていたものが60位から70位に消し飛ぶ状況がありました。
(これは特定のECカートASPとの相性なのか、あるサービスで頻発していました)
この下落が実に解せない状況で、これまでの経験から、E-A-Tや独自性を考えても10位以内が適正であると確信をもっていました。
この不具合(と自分は思っていた)状況はGoogleにもフィードバックしていましたが、少なくとも7月時点では解消されていませんでした。
「アップデートは近い」というのは、今回のようなバグも、水面下でなにか作業をしているであろうという仮説が一つ。
あるいは時折、検索結果の表示方法が無作為か特定条件で抽出されたユーザーにおいて異なる状況が確認されていたので、なんらかのベータテストは走らせているのだろうことは間違いないことがもう一つでした。
コアアルゴリズムアップデート?騒動がもたらした副産物
結果的に今回のコアアルゴリズムアップデートのような大変動はバグで収束しましたが、騒動の最中、とてもおもしろい事象もみました。
twitterなどで「検索結果大喜利」として盛り上がったポンコツな検索結果ですが、とても興味深い現象も確認できました。
1つは、弊社でお手伝いしているサイトで1位を堅守していたクエリで突然「誰やお前!」というこれまで競合他社として意識もしたことがないコンテンツが1位を獲得しているケースが、復数のジャンルで確認できました。おおよそE-A-Tも担保されていないような薄いコンテンツでした。
このバグで一つ、 製造業、EC、医院などあらゆるジャンルがある弊社のお手伝い先で共通していたのが、これまで観たこともない、意識もしたことがないコンテンツがいきなり上位をかっさらってしまったという状況が8月11日午後0時すぎまで続きました。
その後、13時~14時にかけて落ち着き、それらのコンテンツは元の順位、あるいは圏外に消えていきました。
Googleのバグが修正された後、先述の「◯◯ 通販 送料無料」で45/50件が楽天という現象も解消されていたのです!
いやそれでも、1位~7位までは楽天市場なんですけどね・・・。
ですが、以前に比べれば随分マシで、お手伝い先のECサイトがベスト10に食い込むことができました。
小さなECサイトでは、これだけでもオーガニック検索でのアクセス流入が随分変わります。
他、いくつかのジャンル違いの商材でも「◯◯ 通販 送料無料」で楽天が上位を寡占している状態がありましたが、ほぼそれも改善されていました。
さらに、これが一番嬉しいのですが、修正・復旧が完了した8月11日の午後以降、先述のサーチコンソールとの整合性が取れていない サンドボックス現象になっていたクエリでも、サーチコンソールの順位と近似値に表示されるように。60位~70位に沈んでいたクエリも8位~9位あたりに出現するようになり、その後も安定しています。
ダム湖の水が流れ、湖底から干上がることででてきたものが事件解決につながった、なんてことが時々ありますが、 今回の騒動の副産物は弊社にとってはとてもありがたいものをもたらし、5月のアルゴリズムアップデート以降、苦心していた状況がようやく改善されて、実に清々しい気持ちでいます。
ですので、今回のこの件自体はコアアルゴリズムアップデートではないが、それに関連すぐ動きの一端ではないか?ということと、バグの修正により、3ヶ月ほど改善されていなかった不具合まで解消してくれた、というのが本騒動の個人的な感想です。
結果、不具合でしたが、これがもし本当にコアアルゴリズムアップデートなら、2020年は正月後の3連休、GW、さらにお盆前とか、Googleせんせーは日本のエンジニア、SEO関係者に恨みでもあるんですかレベルでしたが、 その騒動の最中で浮き彫りになったことは大収穫でした