2025年3月展開 Googleコアアップデートの所感【March 2025 core update】

2025年最初のコアアップデート

Googleは日本時間2025年3月14日金曜日1:23に今年最初のコアアップデート「March 2025 core update」をリリースし、日本時間2025年3月27日木曜日21:34に展開完了しました。

アナウンスはステータスダッシュボードの時間から少しズレた3月14日1:27にGoogleのXへ投稿されています。ステータスダッシュボードの更新により終了が判明していますが、今回は展開完了のXのポストはなかったのではないでしょうか。。。そんな気がする。

展開完了のアナウンスはなかった?

同様に、Google Search CentralのLinkedInでもアナウンスがされていますが、こちらのほうがXよりもやや詳細に言及されています。

最近ではXよりもLinkedInのほうが詳細にアナウンスされている

その内容を見ると、

これは、あらゆる種類のサイトから、検索者にとって関連性が高く満足度の高いコンテンツをよりよく表示するための定期的なアップデートです。

また、今年を通じて一連の改善を通じて、クリエイターからのコンテンツをさらに多く表示できるよう取り組みを続けています。

すでに一部は実施済みで、今後さらに新たな改善も予定されています。

Google Search CentralのLinkedIn

と、小規模サイトや個人のクリエイターのコンテンツが報われるような方針であるということになっていますね。

2025年は独自性と労力が評価される?

3月のコアアップデートに先んじて、1月23日、Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)が更新されました。全文英文で181ページにも及ぶボリュームなので読み切るのは大変ですが、最近ではGPTなどAIを用いてPDFの翻訳も手軽にできるようになり、本当に便利になったものだと感じます。

Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)が更新されました。全文英文で181ページ

検索品質評価ガイドラインの今回の更新で多く言及されているのが、やはり「AI活用」についてでした。

労力(Effort)
人間が満足する内容を作成するために、どれだけ人的リソースが関与したか。
一括翻訳や変換、自動生成は労力がかかったとみなされないと書かれています。

SNSの投稿やフォーラムでの議論は会話の深さ(リプライ、スレッド)が労力の指標となると書かれているのは興味深いですね。UGCなどをコンテンツに活用することなどは意識していくとよいのかもしれません。

独自性(Originality)
コンテンツがどれだけ唯一無二で他者と類似していないかと考慮し、類似したコンテンツが存在する場合、どちらがより情報源とみなされるかといったことも書かれています。

才能や技術(Talent or Skill)
コンテンツが十分な才能や技術によって作成されているかを考慮します。
訪問してきたユーザーにどれだけ満足のいく体験を提供できるかが重要とあります。

才能や技術となると中々難しいですが、知識や経験、実績あたりが伴う人のコンテンツは自ずとそうなりそうですね。これはE-E-A-Tとも矛盾しない考え方ではないかなと思います。

正確性(Accuracy)
情報提供ページでは、コンテンツの事実的な正確性を考慮する。
YMYL関連のページでは、正確性だけでなく、確立された専門家のコンセンサスと一致しているかどうかが重要とあり、これはもう言わずもがなですね。特に医療系コンテンツで生命に関わる薬の服用や健康法などは正確性が厳しく問われそうです。

並べてみると、いずれも既存、既知の情報を収集して生成するのではなく、オリジナリティが高く一次情報に富んだコンテンツが好評価となりそうで、AIと人によるものを吟味していくと感じます。

Google関係者の「オリジナリティに注力する。それが重要になる」という発言も報告されていますね。

しかし、気をつけたいことがあります。
それが下図、2025年4月3日2:01のGoogle Search LiaisonのXのポストです。

「評価者ガイドラインは、評価者が検索結果の品質を評価するために作られたものです。私たちは、その評価を検索に直接使用しているわけではありません。」

Google Search Liaisonのポスト
ガイドラインはあくまでガイドラインということですね。

「評価者がつけた点数=検索順位」ではなくて、あくまで品質チェックの参考資料であるということですが、これも因果と相関かなと思います。ガイドラインを守り、ユーザーが満足するコンテンツであれば、評価は高まるのではないでしょうか。

2025年3月のコアアップデートはどうだった?

では、今回2025年3月のGoogleコアアップデートの結果はどうだったのか?

X上では「コアアップデート」と検索すると、今回は比較的穏やかだったという感想と、被弾したと悲痛な声を上げているクリエイターの声が散見されました。

後者からすれば「クリエイターのコンテンツを多く表示する」というGoogleの方針と言行不一致という不満が出るのもうなづけます。

みなさんのサイトはいかがだったでしょうか?
確かにここ最近は以前に比べて静かだと感じます。当社のお手伝い先(クライアント)においては。

その中で、少し注視しているサイトがありました。そのサイトの動きが下図です。

直近のコアアップデートのたびに上がり下がりしていて、2024年12月のコアアップデートを機にオーガニックキーワードの数値が下落していることが伺えます。

そして2025年1月にサイトをリニューアルし、その直後から生成AI(とみてよいほどAIによるものと感じる)でコンテンツを大量生産していました。

リニューアル直後に濃淡2色のグレーのグラフが急伸していることが伺えます。
薄いグレー:検索順位51位以下 濃いグレー:21位~50位 なのですが、この中位以下のキーワードは増加しているのですが、20位以内の上位クエリはほぼ増えていません。

4位~10位のクエリが増加しているように見えますが、社名などの指名検索のようでした。増加といっても2キーワードほど。

一方で、コアアップデートの展開完了直前に21位以下のキーワドも下落傾向の動きが見て取れ、1月からの増加分をみても推定の月間アクセスの増加は100にも満たないと思われます。

Google検索の平均CTRの最新情報を追われている方はご存知かと思いますが、11位以下のCTRは1%ほどで、21位以下になれば1%を切りますから、月間検索回数が1,000あったとしても10も増えないとなれば、上図のサイトがコンテンツを大量生産しても思うようにアクセス獲得につながっていないことは間違っていないのではないでしょうか。

生成AIコンテンツが検索結果からBANされるようなことはないが、既存のコンテンツと比較して、圧倒的な独自性などが認められない場合には順位が上がらないことの一例かと感じます。

先の「労力」「独自性」などをしっかり観ているようにも感じました。

コアアップデートが直撃した巨大ECサイト

一方、当社の複数のお手伝い先において巨大な壁のように立ちはだかる総合ECサイトがありますが、そちらが大打撃のようです。
こちらはECモールではなく、あくまで一企業が運営する自社ECサイトです。

公開されているデータでの年間の売上は1,000億に迫るほどの有力ECサイトですが、コアアップデート展開完了直後から検索結果に出てこなくなっていました。

一時的なバグだろうと様子をみるも、展開完了から1週間経過してもなお、以前は1~2位にいたクエリでも40位以下に位置するページも少なくありません。

コアアップデート終了直前からのオーガニックトラフィックの動きが下図です。
展開開始から週間経過した3月20日頃から急落し、展開完了の3月27日以降、さらに沈む動きをしています。

2025年3月のコアアップデートについて
コアアップデート展開から1週間経過した3月20日頃からオーガニックトラフィックが急落

この急落により、オーガニックトラフィックはコアアップデート以前のおよそ半分。

主要なクエリで1位から急落、相当のアクセス減に

上図の通り、主要のクエリが1位から急落、依然として戻る気配がありません。
自分がEC担当者なら消えたくなるような事象です。怖い。

認知度も売上規模もサイト規模もあるサイトがなぜこのようになっているのかは特定できていないのですが、SNSのユーザーの投稿のいくつかには

「リダイレクトが無茶苦茶で欲しい商品にたどりつけない」
「あからさまなAI記事があり、商品を試していないウソのレビューがある」
とサイト上の問題を指摘する声がありました。

このことが影響しているかは不明ですが、リダイレクトについて「なんでもトップに集めないで」といった注意喚起も最近されていたような(ソースを失念)

と、もし仮に「人が監修していない、生成AIによる体験していないウソのレビューを大量に載せていた」としたら、冒頭のGoogleの方針とは合致しそうな気もします。

そのほか感じた点

今回のコアアップデート後、あくまで当社のお手伝い先まわりで確認できたことなのですが、また全く根拠のない医薬品に関するトンデモ論文がAIによる概要に表示されている事象も確認できました。

内容としては、ある医薬品を危険で命に関わると断罪している記事ですが、怪しさ満点の箇所は以下の通り。
・権威のない同好会的な学会を名乗っている
・著者は一応病院の医師名義
・業界紙に掲載されたとあるが23年も前
・論文の主張は根拠どころか現在は否定されている

これは中々にひどいですね。人命に関わることなので、現在当該コンテンツを掲載している病院とGoogleに対して法的手続きを取っているところです。

そのほかには、コアアップデート完了後も、検索100位以下のコンテンツが急にAI Overviewに表示されていることも確認できました。
ただ、このコンテンツに関しては、逆になぜこれが100位以下なのかと思う不満もあり、オーガニック検索の順位も伴ってきてくれるといいのですが。

といった感じで、あくまで当社の看視・管理しているサイト上での所感でしたが、人による「労力」「独自性」「才能」「技術」「正確性」を重んじる動きを目指していることは確かに感じるコアアップデートでした。

やはり、やることは変わりませんね。

SEOに関することは、ネットショップ担当者フォーラムでも連載していますので、合わせてこちらも御覧ください。



この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
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