もくじ
2023年3回目のコアアップデートは8月以来。
2023年10月6日の午前0時56分(日本時間)に、Google Search Central公式X(Twitter)でコアアップデートのリリースを発表しました。
2021年の6月、7月に2ヶ月連続でコアアップデートが実施されたことがありましたが、以前は事前に2ヶ月連続の予告がありました。
しかし、今回は予告なく10月6日に公式Xのポストにより突然のアナウンスとなっています。
確かに日本時間8月23日~9月7日のコアアップデートは直近の中では比較的穏やかなコアアップデートだったという印象で、11月の後半から12月の前半あたりにもう一度ぐらいあってもおかしくないなとは思っていたのですが、まさかほぼ2ヶ月連続であるとは思いもしませんでした。
前回のコアアップデートの初動の感想も、下記ブログにまとめていますので、是非ご覧ください。
8月から実に4つめのアップデート。
下図は、今年2023年に入ってからの主なランキングに関するアップデートのログです。
8月23日 コアアップデート 16日間
9月15日 ヘルプフルコンテンツアップデート 13日
10月5日 スパムアップデート 10月15日時点で終了アナウンスなし
10月6日 コアアップデート 10月15日時点で終了アナウンスなし
(日付はいずれも日本時間)
ユーザーの役に立つコンテンツを評価するヘルプフルコンテンツアップデート、その名の通りスパム対策を行うスパムアップデートなど、コンテンツの質に関するアップデートが数多く実施されており、生成AIを用いることでコンテンツの量産が容易になってきていることから、低品質、信ぴょう性の低いコンテンツに対しての対策と思えるような流れのような気もします。
8月のコアアップデートが比較的おとなしめだったことから、もしかしたらアルゴリズムの調整を失敗していたのか?とも思いたくなりますし、ヘルプフルコンテンツ、まだ終わってもいないスパムアップデートにも被せてくるのは異例中の異例な気がします。
もしかすると、調整ミスよりも、この後控えている大型アップデートがあって、それとコアアップデートを被せることができないのではないかとも疑いたくなります。
あるいは次回のコアアップデートをスムーズに行うためにどうしても処理しておきたい何かがあったのではないか?など色々と憶測したくなるような流れであることは間違いありません。
前回はYMYLを中心に。今回は体験に関する記事に動き。
前回のコアアップデートの記事も参照いただければと思いますが、前回は比較的おとなしいコアアップデートではありました。
当社でGA4やSearch Consoleを観ることのできるサイトでは、YMYL領域のサイトが比較的動き出しを初動から感じるような展開でした。
その後は若干の第二波などはあったように感じますが、結果的にはもう終わり?という粋を出ない動きに留まりました。
しかし、前回のアップデートではロールアウトしたあとに順位が大きく動き、今回のアップデートではその勢いのまま、順位が上がり、表示回数とクリック数を伸ばしているサイトがいくつかあります。
当社でお手伝いしているサイトで最も8月のコアアップデート→今回のコアアップデートで続伸をしているサイトのSearch Consoleの動きです。
ジャンルはキッチンやリビング、ライフスタイルの雑貨を豊富に扱うECサイトです。
8月中盤と直近で比較すると、表示回数は約10倍、クリック数は約9倍ほどに増加。
平均掲載順位は7月30位→8月21位→9月16位→10月は14位と3ヶ月で平均を16ほど上げています。
こちらのサイト、2023年3月コアアップデートの影響で順位、表示回数、クリック数ともに大幅に落としており、その後ご相談に来られてお手伝いをしています。
コアアップデートもそうですが、どちらかというとヘルプフルコンテンツの方が影響が高いのではないか?という仮説を立て、下記のような取り組みをしてきました。
【状況】
・3月のコアアップデート以降、大幅に順位を落としアクセスが激減。
・3月以降のコンテンツの未クロール、未インデックス数が増えていた。
・インデックスされていたであろう記事がそれなりの数、未インデックスになっていた。
・春以降コンテンツを主に担当しているのが外注のライターさんだった。
【対策】
・サイト内検索でタイトルや内容が似ている記事を統廃合。
・ライターさんにE-E-A-TやYMYLについて理解していただく。
・健康効能系のグッズに関しては、外部リンクなどを用い、エビデンスを明示する。
・スタッフによる体験動画や画像を追加。エクスペリエンスを意識した内容に深掘り。
以上のような流れで取り組んだ結果、8月のコアアップデートを経て、3月以前と比べても3~4 倍のアクセスで推移しています。
この流れをみても、昨年12月にE-A-TがE-E-A-Tとなり、追加されたExperience(経験)に基づいている記事の評価軸はかなり変化しているのではないかと感じます。
下図は、アパレル系ECサイトの売れ筋商品に関するコンテンツの順位の推移。
赤い矢印が今年のコアアップデートの実施を表しています。
カタログスペック、吸湿、速乾性などの機能面に基づくエビデンスなどに加え、スタッフが着用してみた際の画像や動画、感想を交えたコンテンツに強化しました。
続いては、グルメ系ECサイトのアレンジレシピのコンテンツです。
自社の商品のアレンジレシピ、使い切りレシピを紹介する記事ですが、アレンジレシピでは実際にスタッフがスーパーに出かけ、予算◯円以内で買い足した食材で複数調理して、合うお酒もおすすめしてみる、というもの。
こちらの記事は、8月のコアアップデートで大きく上振れし、10月のコアアップデートでも、引き続き好位置をキープしています。
E-A-TからE-E-A-Tになったこと、生成AIでコンテンツ制作が容易になっているからこそ、経験、体験に基づいているであろう記事、それらが裏付けされる画像や動画があるコンテンツに信頼性があり、ユーザーの役に立つはずであるというのは当然といえば当然の流れですよね。
YMYL領域はもはや専門家監修が必須なのか?
当社では、医薬品や医院、施術などを行う、YMYL領域中心のサイトもお手伝いをしており、競合サイトの観測も続けていますが、8月、10月のコアアップデート以降、YMYL領域では、特に医師や研究者などの専門家による監修や注釈が順位に直結しているような印象を受けます。
下図は感染症に関するコンテンツで、春頃までは上位に位置していましたが、10月のコアアップデートの速報値では15位あたりまで下落、半年ほどで10ランクの下落となっています。
今回のコアアップデートでは「個人ブログ」の影響が大であるというポストもXに散見されています。【参照:Xの「コアアップデート 個人ブログ」の検索結果】
これをみても、もはやキーワードを羅列して固めたコンテンツだけではSEOは難しくなっているのかもしれません。
2023年の年始に下記の記事を書きましたが、2023年も終盤にさしかかり、まさにそのようになっていると感じる部分も大きくなっています。
GA4を用いても、お客さんがなぜ購入や問い合わせに至らなかったかというのは推察に過ぎません。
しかし、WEB以前もそうですし、実店舗や商談の場では「今はまだいい」「なんか違う」「検討している段階」など、今すぐにコンバージョンに至らない理由を汲み取ることができ、そこに対してフォローしてきたはずなのです。
WEBやアプリが便利になっても、最後は人と人。
AIが発達しても、そこを意識して、見込み客、潜在顧客、既存顧客に合わせてアプローチできる企業やECサイトがファンに支持されていくようになっていくのではないでしょうか。