SEOで忘れてはいけない「因果と相関、概念と具現」

社会情勢が不安になると出てくる怪しいSEO業者

本業とは別に、行政機関でWEBやEC、クラウドファンディングについての相談業務に従事していましが、最近、またあちこちで怪しげなSEO業者が営業かけてくるという話を耳にするようになりました。

新型コロナ関連倒産が連日報じられるようになり、弱みにつけこむような手法は東日本大震災の後にも見聞きしましたから、やっぱりか、という思いもあります。
直近で伺った内容で特に気になったのは下記のようなこと。

1:ドメインパワー(ドメインオーソリティ)の強い中古ドメインがある
2:E-A-Tスコア、YMYLスコアを上げる施策
3:薬機法に抵触しないYMYLに準拠したSEO対策


細分化するともう少し多岐にわたりますが、まとめるとこんな感じでしょうか。

1:ドメインパワー、ドメインオーソリティについて

2018年10月ロンドンで開催されたイベント「 SearchLove London 2018」で、Googleのジョン・ミューラーさんは「Google はドメインレベルの指標を確かに見ているけど、それはサードパーティが算出するドメインオーソリティとまったく関係ない」と発言しています。

ドメインオーソリティに似てなくもない指標をGoogleは持ってるけど、それは信頼と実績のようなものを見るためのもの。

いわゆる「楽天が強い、Amazonが強い(ように見える)」のはそんなこんなの積み重ねでしょうか。仮にそうしたドメインが売りに出されても、ドメインにコンテンツがなくなり、売りに出された時点でリセットされますので買う意味はありません。これを逆手に取ったブラックハットがありますが、絶対にやっちゃダメなので言いません。

それと合わせてあるのがビッグキーワードを含んだドメインに関してですが、ドメイン名は2012年以降、SEOのシグナルから外れていますから、2022oseibo.comみたいなドメインを買ってもいきなりお歳暮で上位を取れるわけではありませんから、自社の商材名を含むドメインを買いませんか?というお誘いには十分ご注意ください。

2:E-A-Tスコア、YMYLスコアを上げる施策
3:薬機法に抵触しないYMYLに準拠したSEO対策

E-A-TもYMYLも「スコア」という形で存在していません。

確かにE-A-TやYMYLはGoogleの検索ガイドラインに100回以上出てくる言葉ですが、いずれも「概念」と書かれています。

こちらは2019年にラスベガスで開催されたイベント「Pubcon Pro Las Vegas 2019」でGoogleのゲイリー・イリェーシュさんが「E-A-TスコアもYMYLスコアもGoogle検索には存在しない、コアアルゴリズムは何百万というベビーアルゴリズムの集合体だよ」と発言されています。

この赤ちゃんアルゴリズムが一体となって、シグナルを見つけランキングを決定しています。僕はこの話に初めて触れたとき、崖の上のポニョのポニョの妹たちが泳ぐさまを想像しました。

2022年8月下旬より、英語圏から先んじて「ヘルプフルコンテンツアップデート」というお役立ち情報をより評価するよ的なものが展開されますが、説明を読むと中々刺激的な一文があります。
「クリック狙いに走って対策した内容の薄っぺらいコンテンツが役に立たないことはみんな知ってる。だから専門家によるオリジナリティがあって品質の高いコンテンツが評価に値するよね」といった感じです。

それに加え、日本ではまだ未展開の「プロダクトレビューアップデート」も英語圏では4回実施され直近では7月24日に展開されています。

この2つが日本でも実装されると、色んなところから阿鼻叫喚が聞こえて来そうな気もします。
もしかしたらそうしたSEO業者さんは本当に知らずに言っているのかもしれません。

でも、中には「いや、それ今は無意味ですよ」とか「それやったらダメっす!」みたいな事が書かれている提案書を見せてもらうこともありますので、少しでも参考になればと思います。
それに、Googleはああ言ってるけど、目の前にあるサイトでは確かにこうなってるんだよなぁ…とか、なんかわからんけど上手く行ったみたい、なんでこれが上がらんであっちが上がんねん!みたいなこともたくさんあります。

なので、僕も実際に見て触れているサイトでのこと以上はお話できませんから「やってみた上で、観測できる範囲では」とつけるようにしています。

幸いにもGoogleのイベントに何度か参加することができているので、そこで実際に伺った内容を元に自分で実験してみたことなどに限るようにしています。

概念と具現、因果関係と相関関係に惑わされないようにしないとなってことをますます強く感じるこの頃であります。怪しいニオイのする営業にはセカンドオピニオンなども活用するのもひとつですね。

この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
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