【eスポーツの今】新しい産業への偏見は捨てなければならないかも。

EC、クラウドファンディング。新しい産業のこれまで

いつの間にかインフラになっているのに、出だし当初は偏見や揶揄されることの多い新しい産業。しかしそうした新しい業界への色眼鏡は捨てなければならないと感じます。

かつてはECがそうでした。
「インターネットで物を買うなんて怖い」
「詐欺に遭いそう」
確かに今でもなりすましサイトなどによる詐欺行為は後を断ちませんが、かつても怪しいと言われた時代があったECの国内市場も今では20.7兆円市場に成長しており、前年度から1.4兆円増え7.35%伸びています。
出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

あるいは新しいところでいうとクラウドファンディング。
僕は2013年からクラウドファンディングに従事しており、2014年には当時在籍していた会社が大阪府の「クラウド型ファンド活用促進事業」において、大阪市に本社のある企業として初めてクラウドファンディングに挑戦することになり、大阪市役所のプレスルームで記者会見に臨ませていただきました。
【出典:大阪府「クラウド・ファンディング活用サポート事業」

しかし、当時は中小企業の交流会などでクラウドファンディングのお話をすると、中々に手厳しい罵詈雑言を浴びることも度々ありました。

それでも、国内のクラウドファンディングの成熟市場規模を800億円~900億円と試算するシンクタンクが多い中、2021年度には1,642億円規模まで成長、2022年度は1,900億円に成長する見込みであるという話もあります。

特にコロナ禍を直撃した2020年には、商店街や観光地の支援のために数多くのプロジェクトが立ち上がったことを記憶しています。
【出典:矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)」

eスポーツの今

今回、特に触れておきたいのがeスポーツ。
僕は少しの間ゲーム業界に身を置いたこともあり、元々ゲーム好きだったので、プレイする時間がなくなった今でも業界の動向は気にしています。

eスポーツ業界も、国内においても家電量販店やPC関連メーカーがスポンサーにつくチームが出てきたり、eスポーツ専攻を創設する専門学校も増えていますが、揶揄する声をまだまだネットでもよく見かけます。

しかし中国では既に20年以上の歴史があり、国内には4000チームが存在、4割が上海に位置し、関連番組のトータル視聴者数は5億人にのぼるといいます。

上海eスポーツ協会では毎月20人を雇用しても人材不足は深刻といいますから、驚きです。

eスポーツ関連職種は企画、運営、会場管理、配信など約100種類に及び、中国では既に8万人が働いていると言われていますが、それでも人材不足を解消するには業界全体で33万人が必要とといいますから、かなりの一大産業となっていることが伺えます。
【出典:NHK「おはよう関西」

一方、eスポーツの過去最高賞金は昨年に開催されたThe International 10で優勝賞金が20億円、 賞金総額が約44億円でした。この大会はMOBAジャンルの大人気ゲーム「Dota 2」で行われました。
【出典:セゾンのくらしの大研究「eスポーツの賞金最高額はどのぐらい?日本・世界の大会ごとの賞金も解説究

たとえば、ウィンブルドン・シングルスの優勝賞金が3.3億、マスターズゴルフの優勝賞金もほぼ同額で賞金総額は18.7億円ですから、メジャースポーツの最高峰を既に凌駕する規模になっている大会も出てきているということになります。

たかがゲームか、されどゲームか・・・とはいえ、ファミリーコンピュータが世に出て40年あまり、ゲームが大きな産業になっていることは明白で、そのソフトを用いた大会がプロ化されて賞金が出るということも不思議なことではないかもしれないですよね。

これからも新たに生まれてくる産業に、柔軟に向き合うことも大切なことのような気がします。

この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
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