「Googleのアップデートは常に行われている」ということを肝に銘じる。

2021年のコアアルゴリズムアップデートはまだだけど。

先日、鼻息荒く投稿したこちらのポスト。
2021年最初のGoogleのコアアルゴリズムアップデートはいつくるのか?という記事。
結局の所2021年5月27日現在、いまだありません。なんかすみません。。。

2021年、今の所実施された形跡がないコアアルゴリズムアップデート。

コアアルゴリズムアップデートが実施された際、Googleは
「broad core update」という表現を行います。

コアアルゴリズムアップデートではブロードアップデート・広範囲、大きなアップデートという意味で、そうではない小さな日常的なアップデートは常に行われているということですね。

これは数年前に参加したカンファレンス「Google Dance」でも言及されていました。
その2018年のGoogle Dance OsakaではLightningTalkで登壇しました。
当時の登壇後にいただいた反響のいくつかをご紹介したいと思います。
(自分の中では素敵な思い出なので・・・)

カンファレンス登壇当時は、まだECサイトの中の人として、独学でやっていたSEO。

それをGoogleのカンファレンスで発表するという本当に素敵な機会をいただき、これが今の自分の道を決めたと言っても過言ではありません。

少し話が逸れましたが、ということで現在のところ広範囲なアプデは来ていないという感じです。

ですが、Googleは日常的に小さなアップデートは行っています。

小規模なアップデートは日常的に行っている。

Googleとユーザーをつなぐ連絡係としておなじみ、ダニー・サリヴァンさんがTwitter上でこんなやり取りをされていました。

「なあなあダニーはん、コアアルゴリズムアップデートしてへん言うてんのに、
2020年の12月のアプデで順位が落ちたサイトが上がってきてんねん。これなんで?」
「コアアップデートしてへんで。それしたら発表するで。せやけど、常に更新はしてるで。
サイト運営者も更新してるし、検索意図も変化するし、それに合わせて小さなアプデもしてるさかい、そりゃ順位も動くわなぁー」といった感じでしょうか。

と、Googleでは小規模なアップデートは常に行われているということですね。

サイトはアクセスが増えているが、局所的にはどうか?

下記2つは同じECサイトの主力商品に関する、コンバージョンが高い「トランザクショナルクエリ」のサーチコンソールの平均掲載順位と表示回数に絞ったグラフです。

こちらのサイト、メインの商材はスイーツギフトです。
昨年2020年のコロナ禍でのおうち時間、ステイホームのお取り寄せ特需によりECサイトの売上を非常に伸ばされました。

今年2021年は昨年ほどの伸びはないものの、4月までは売上を堅調にキープしていましたが、5月の母の日商戦~父の日商戦で異変が生じました。

コアアルゴリズムアップデートがないときもSearch Consoleを観る。
2021年5月3日を起点に検索順位が落ちたクエリ。
2021年4月9日あたりから検索順位が落ちたクエリ。

サイト全体のアクセスは横ばいからやや増加傾向にあり、大きな問題は見当たらないという感じでしたが、母の日、父の日、お中元とつながる商材での苦戦が浮き彫りになってきました。

上図の異変に気づいたのはこのECサイトの店長さんからの一通のメールでした。

「全体では前年を上回る見込みですが、稼ぎ頭の商品がマイナス30%ぐらいで売上を落としています。伸び悩むではなく、特定の商品の売上が減少している原因は何が考えられるでしょうか?」

全体ではまずまずだが、主力商品が伸びないどころか落ちているというのです。
このメールでピンと来て、サーチコンソールで当該商品のキーワードに絞り込むと、
商品A群のキーワードは2021年4月9日あたりから検索順位が急落、
商品B群のキーワードは2021年5月3日あたりから検索順位が急落していました。

他の新商品などが伸びていた結果、サイト全体のアクセスや検索順位には大きな変化がなく、局所的な急落に気づかずに過ぎていました。

いずれもスイーツジャンルのキーワードですが、それぞれ違うタイミングでアップデートが実施されていた?という形跡がここからも伺えます。

例えばですが、同じジュースでも「コーラ」と「オレンジジュース」ぐらいの違いと思っていただけると良いかと思います。

そんな小さいと思える商品のズレでもチューニングされている時期や大きさには違いがあり、逆に順位が上がり検索ヒット数・アクセス数が増えているクエリがあったので相殺されていて、サーチコンソールの検索パフォーマンスでは異常が見当たらず見過ごされていたのです。

先程のいずれの画像も直近5月後半から検索順位が少し上向きに転じていることが伺えるかと思いますが、ここでコンテンツに手を加えて調整をかけたところです。

検索順位の上がり下がりで一喜一憂せず、まずはそのキーワードで起きている変化を
「看視」することが重要ですね。

自社のサイトの順位が下がっても、そのクエリで上位のサイトは存在するのですから、落ちた自社のコンテンツと他社のコンテンツの差異を見つけながら、どこが検索意図にマッチしているか?評価されているのか?コンテンツ内の画像のaltタグの抜けなどはないか?など、丁寧に看ていけば、必ず浮上、回復のヒントは見つかるはずです。

そして、その際にもくれぐれも競合他社のコンテンツをコピーするようなことはせず、自社の言い回しに言い換える、表記ゆれを汲み取るなども大切ですね。

現在のところ、2021年最初のコアアルゴリズムアップデートは来ていないということになりますが、アップデートが来ても焦らないようにするには、日頃から丁寧にページ、記事をつくり、高品質なコンテンツをつくっていくことが何より重要です。

そしてECサイトであれば、お正月、バレンタイン、ホワイトデー、新学期、就職、引っ越し、母の日、父の日、お中元、敬老の日、クリスマス、お歳暮、など1年の中で必ずピークになる商材は数ヶ月前から、順位の変動を看視していくことを心がけていくことですね。

みなさんのサイト運営に幸あらんことを祈念しています。

この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
酒匂雄二のプロフィールはこちらから