もくじ
12月4日のアップデートについて
アメリカでは12月3日に実施され、その動きが顕著に国内で現れだしたのは2020年12月4日のことでした。
11月の中旬まではGoogleのジョン・ミューラーさんなどの
「ちゃんと決まったわけではないが・・・」と含みを残した発言もあり、また歳末商戦(クリスマス商戦・ホリデーシーズン)に市場の混乱を来たすようなことはないのではないか?という意見が多数でしたが、予想を裏切り12月最初の週末にアップデートを実施するという鬼の所業でした。
今年のアップデートを振り返ると
1月のアップデート→3連休
5月のアップデート→GW
8月の世界的なバグ→お盆
9月のインデックスバグ→3連休
12月のアップデート→歳末商戦最初の金曜日
と、いずれもまぁSEO担当者を××しに来ているようなタイミングですよね。
今回のアップデート直後にも、上がった下がったという声がtwitter中心に散見され、一喜一憂も垣間見ることができました。
今回のGoogleのアップデート直後の所感と今後の対策の方針については、アプデ後に書いたブログがありますので、こちらをご覧ください。
アップデート直後80%で検索順位の下落を確認
この数字は弊社でお手伝い・伴走をしているサイト約25社でのデータです。
また、現在は定期ご契約ではないものの、何かの時のためにとGoogle Analyticsとサーチコンソールの閲覧を許可いただいたままの事業者さんを合わせると、弊社で閲覧することのできるアクセスデータは100サイトほどになります。
そのうちの半分以上がECサイトですが、そのジャンルも子供服、女性服、下着、食品、インテリア、リビング・トイレタリー、雑貨、アルコール飲料、楽器、工業製品と多種に渡り、またBtoBでも製造業、アプリ開発やシステム開発を行うIT企業、医院、エステ、行政系、求人サイトと様々です。
YAMLやE-A-Tが深く関連するジャンルのサイトも数多く見ることができ、12月4日金曜日の夜から12月6日日曜日にかけて一通りに目を通すことができました。
その結果、80%のサイトでサーチコンソール上で明らかな下落が確認され、急上昇したサイトは10%、ほぼ影響を受けなかったサイトは10%というような比率でした。
アップデート直後に急上昇したサイト
アップデート直後に急上昇を記録したサイトのサーチコンソールの動き(クリック数)です。12月4日に動き始め、12月6日には12月3日対して10倍を記録。
SEOなどに関連するコンテンツも抱えているサイトのため、日曜日でありながらSEO界隈の敏感な動きも重なってアクセスは急上昇、検索順位もアプデ前の平均掲載順位41.1位から6日には平均17.7位と大きく検索順位を上げました。
しかし、他のECサイトなど他ジャンルで上昇したサイトの動きとも比較してみると、コアアルゴリズムアップデート直後に上昇したサイトの多くは
「全体的にサイトが若く、コンテンツの数も豊富というほどまでは成長していない」
という印象を受けました。
E-A-Tもまだまだで、どちらかというと発展途上にあるサイトにこの傾向が見て取れました。こうしたサイトはこれまでのアップデート後の動きを思い返してみても、ロールアウトが完了する1~2週間後に少し下がりながら、全体的に底上げがされるという数値に落ち着くのではないかと感じています。
アップデート直後に下落したサイト
今回のGoogleアップデートを受け、弊社がお手伝いしているサイトの多くで観察された動きが上図のような急激な下落です。
アップデート前後で表示回数・クリック数ともに半減しています。特にジャンル問わず、ECサイトで多く見受けられました。
12月4日に滑り台のように下がり落ち、その後、7日8日にかけて微量に回復している動きを感知し始めました。さらに12月10日の未明から一気に順位が回復している傾向が多くみられます。
これらのサイトの多くは、ドメインの運用歴も長く、YMYLやE-A-Tにかなり気を配りながらコンテンツ更新をしているサイトと自負しています。
ですので、アップデート直後にはショックを受けましたが、このまま下がりっぱなしなわけがないと信じていましたし、そうであればGoogleのアルゴリズムに問題ありだろうぐらいには考えていました。
事実、12月10日の検索順位チェックを行ったところ、調整が入り始めたなと感じます。
12月10日はアップデートから1週間。調整が目に見えて出始めるタイミング。
弊社でみているサイトの多くで10~20ランク動くのは当たり前になりました。
アプデ以降1位を取っても安心できないし、下落してても落ち込むことはないということを改めて感じます。
そうしたところ、アプデ以前に上位~中位にいて、アプデ以降、一時圏外までふき飛んだようなキーワードですら、12月10日あたりから顕著に回復しているのが見て取れました。
圏外から20位以内にも返り咲くワードも多数。
「やっぱり評価されるべきページが戻り始めている」そんな印象を受けますね。
下落したサイトでもまだまだ予断は許しませんが、ここ数年、あるいは10年以上、そのジャンルで一線を張ってきたECサイトや事業者さんが、ブラックハットSEOをしたわけでもないですから、アップデートが実施されて崩れ去ることはありえないと思いますし、そんなことがあってはGoogleの検索エンジンの品質にも関わってきますからね。
YMYLど真ん中、医療系サイトではどうだったか?
上図は、医療法人が運営する医院のサイトです。いわばYMYLどストライクのサイトですね。
こちらもアップデート直後に表示回数、クリック回数ともに半減していますが、12月5日土曜日を底に、6日日曜日から回復傾向の動きが見えます。
そもそも土日は休診日のため、アクセスが減少傾向になるのですが、日曜日に回復の兆しが見えたことが大きな判断材料となりました。
このクリニックでは理事長がメディア出演も多く、コンテンツに関しても外注ライターなどは起用せず、すべて医療法人内で行い、専門医のインタビューや、医療機関、製薬会社、厚生労働省などへのリンクも多く、公開時には薬機法に抵触していないか医師のチェックも入るので、エビデンスも間違いなく担保されているコンテンツばかりです。
こうしたサイトでも下落後、上昇の兆しがあることから、今回のアップデートは一時的に影響が大きく見て取れたが、基本方針に変わりなし。と言えるのではないでしょうか。
アップデートなにそれ?不沈艦のようなサイトも
上図は検索結果1億件を超えるようなクエリでも1位~2位を誇るキーワードを多数抱える巨大要塞のようなサイトです。
アップデート直前も直後も普段と変わらない動きをしています。下がっているように見える箇所はそもそも店休日だったりして、アクセスは毎週下がる曜日なので全く影響を受けていません。
今回のアップデート直後、特に通販系では楽天、amazon、ヤフーショッピングなどが上位に鎮座しつづけたのもうなづけますね。
アップデート直後、普段は上位に食い込まないはずであろうクエリで、に価格.comが上位表示されていたケースも確認できていたました。
そのあたりを見ると、サイトのYMYL、E-A-T、コンテンツ数が一定規模を超えてくると、アップデートも「なにそれ?」状態の牙城を築いてビクともしないケースもいくつかありました。
【結論】それでもやっぱり、やることは同じ
前回のブログでも「さんざん読ませやがって結論www」とのお声をいただきましたが、それでもやはり、これまでの白が黒になることはなく、前回のまとめと同じように、やることはこれまでと変わりはないと思います。
みなさんのサイトにアクセスしてきたユーザー・お客さんにとって何が有用であるか?自分たちはそこに向かって何が提供でき、何の専門家であるのか?そしてそこでどんな商いや事業をしているのか?を発信し続けることに変わりはないと思います。