2023年3月15日の23時32分(日本時間)に、Google Search Central公式Twitterでコアアップデートの展開開始を発表しました。
前回のコアアップデートは2022年9月13日に発表があったため、ほぼ半年、183日ぶりのアップデートになります。これまではコアアルゴリズムアップデート、コアアップデートという表現が入り交ざる感じでしたが、今回は公式Twitterの「コアアップデート」をSEO各社、コンサルタントのみなさんも踏襲している印象です。
2022年9月のコアアップデートの所感はこちらのブログをご参照ください。
それでは、今回のGoogleコア・アップデート初動の所感についてご紹介していきます。
※当社がSEOやコンテンツマーケティングでお手伝いしているサイトが主体の感想です。
初動はYMYL領域から。
展開の発表がされる時間はいつだって日本は真夜中から早朝にかけて。
「アプデきたー!」というTwitterでの盛り上がりは、かつてのドラクエの発売日やWindows95、iPhoneの発売のような雰囲気に似ていて嫌いではないのですが、展開完了、ロールアウト完了には毎度のことながら2週間ほどを要しますから、すぐに順位をチェックしたところでという冷静な部分もあり、翌朝から見るようにしています。
(もう、徹夜とか出来ないお年頃)
夜が明けて3月16日の午前中からお手伝い先のサイトの順位チェッカーを動かして巡回してみた所感は
アパレル:小・・・婦人服、子供服、服飾雑貨など
グルメ:小・・・食品お取り寄せ、グルメギフト、スイーツなど
インテリア:小・・・インテリア家具、リビング、バス・トイレタリー商材など
IT系:中・・・WEBサービス、アプリ、会員制サイトなど
医療系:大・・・クリニック、医薬品、YMYL領域の多い健康系商材など
です。
動きの小さなジャンルでもKNOWクエリは比較的大きく、E-E-A-Tの経験(E)→やってみた系、ハウツー系の動画付きのコンテンツは高評価されてる感じかなという私見です。
ECサイトでも、体に身につけるものなど健康医療に近しいコンテンツを要しているところは、E-A-T(2022年12月にE-E-A-Tに変更)を意識してチューニングに勤しんできた努力が報われたような動きでした。
GPT4などによるAI生成コンテンツに対してというよりは、人の手であれ、低品質、量産されているとみなされたコンテンツは評価されにくくなっている印象を受けました。
画像は初動で最も「ンフフ」ってなった動きです。
昨年の春からコツコツと改修を重ねてきたコンテンツ、2022年末のヘルプフルコンテンツアップデートの展開完了と思しき時期からスッと急上昇し、10位前後を推移していましたが、今回のコアアップデート展開後の3月16日に1位になり、その後18日までの3日間、1位をキープしています。
まだまだ予断は許しませんが、この動きは1つ今回のアップデートの方向性の指針になるのではないかと期待しています。
ギフト系クエリは粘り強くで花開く。
シーズナルイベント、ギフト系のコンテンツで大きな動きを見せたのが父の日関連でした。
中には圏外から10位前後につけるクエリも出てきていました。
かなり競争率の高い商材で、毎年父の日は苦戦を強いられていたサイトですが、昨年からSEOに本格的に挑戦。2022年は間に合いませんでしたが、今年2023年はかなり健闘できそうな手応えを感じる動きを見せています。
代表的な商品のECサイト上のカテゴリを見てみるとこのような感じです。
昨年も2ページ目11位~20位の間をウロウロするぐらいまでには付けていたのですが、オフシーズンの秋口に向けて下落。
12月のヘルプフルコンテンツアップデート前後では一時34位まで沈む時期もありました。
しかし、ヘルプフルコンテンツアップデートがロールアウトされたと思しき1月中旬から13位前後につけ、今回のアップデート直後にはついに10位に、3月18日には9位と続伸を続けています。
オフシーズンもコツコツとE-E-A-Tを積み上げるような努力が結実したような印象がします。
こうした動きは、今年の年始に書いた下記のブログの内容を実践してくださっているサイトに見受けられました。
他の人はこちらも質問(PAA)でアクセス増加!?
コアアップデートとは別に、検索順位とアクセスが堅調なサイトも増えています。
下記などは顕著な事例です。
上図は他社製品名でなぜか表示回数、クリック、平均CTR、平均掲載順位の全てが上ブレしているサイトのあるコンテンツ。
他社さんの商標登録されている商品名ですから、個人ブロガーでもないメーカーサイトで名を出すことは社内コンプライアンスで許されるはずもありません。
ではなぜ!?と検証してみると、その商品名の直下に生成される「他の人はこちらも質問」(People Also Askを略してPAAと呼ばれます)の質問の中に当該コンテンツが含まれており、当然、他の人はこちらも質問のクエリで1位となっていました。
日本で他の人はこちらも質問が検索結果に表示されるようになったのは2022年2月頃からだったと記憶しています。
このページは、直近にできたものではないのですが、PAAに記事が挿入されるようになったと思われるのは昨年の8月の中頃から、2022年の9月のコアアップデートも相まって露出が高まり、新たな流入口としてよい働きをしてくれています。
さきほどご紹介した、2023年、AIコンテンツは電子商取引に夢を見せるか?のブログでご紹介ししていますが、2022年12月だけで、ヘルプフルコンテンツアップデート、リンクスパムアップデート、E-A-TからE-E-A-Tへの変更など矢継ぎ早に展開されてきました。
日本国内では未展開と言われているプロダクトレビューアップデートの影響も皆無とは言い切れない動きもあり、こうした複数の動きにコアアップデートも重なってくる今、単独のアップデートに向けてどうこうする、ということではなく、Googleを気にしずぎず、ユーザー第一でコンテンツを作る必要があるのでないかと感じています。
Google検索セントラルブログに「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」に、
コンテンツに関する「誰が、どのように、なぜ」を考える
というセクションも加わっています。
Googleファーストではなく、ユーザーファーストをしっかり考えて、みなさんのお客さんとなりうる方の為にコンテンツ運営をしていくことが大事なのではないでしょうか。
AIに頼りすぎず、自分の言葉で丁寧に掘り下げて伝えていくことが2023年のSEOの根幹になるのではないでしょうか?