コロナ以前は年間50~60回出張・登壇をしていましたが、コロナ禍で出張も激減し、セミナー講演もほとんどがオンラインに切り替わりはや2年です。
現地開催されていた頃の登壇のご依頼は、県庁、市役所、商工会議所、あるいは地域のECの有志で結成された勉強会など様々にいただき、北海道から九州まであちこちへ飛び回っていました。
そんな出張、移動の時、ついついスマホを触りがちなのですが、列車、地下鉄、バスなど移動に使う公共交通機関の社内を見渡すのがとても好きです。
特にローカル線!
車内広告や路地裏に潜む地域の名店
都市部の移動でも、車内広告や中吊り広告には全国展開の大手企業だけではなく、地域ビジネスの出稿主が多かったりします。これが面白いですね。
県内のローカルチェーンや、特定の沿線数駅に店舗を持っている居酒屋や商店、地域密着展開している学習塾など。
大手ショッピングモールや全国チェーンが進出している地域でも、地元で愛されているお店があったりします。
そういうお店には単に歴史だけではない、学ぶ点が多かったりします。
立地、店構え、店内、装飾、手書きのポップ、味、接客、そういったお店にふらりと入ると気づきが多く、なるほどなとうなづくことも多かったり。
地方に登壇で呼んでいただいた時には、セミナー前に地域を散策すると話のネタにもなりますし、地域性などを理解することに一役買います。
唐揚げの有名なまちでは大手チェーンが一度は撤退した!?という話があったり、地元で3代続く靴屋さんがある町でも、大手シューズショップが撤退したという話を聞いたりといったことが、しばしばあります。
鳥取では、朝は閑散としている商店街に早朝からシャッターが空いている店舗があり、覗くと色鮮やかな大漁旗を手描きしている風景に出会えたこともありました。
後日、その職人さんがANAの機内誌「翼の王国」に取り上げられていて嬉しくなりました。商店街に差し掛かる前にも早朝から賑わう鮮魚店があり、そちらも同様に取り上げられていて、地域に根づく商いを垣間見ることができました。
ローカル線に観る、地域のくらし
地方出張での楽しみは県庁所在地のターミナル駅から郊外に伸びるローカル線の車内です。時間によっては通勤通学の方で賑わい、乗り込む駅・降りる駅で地域のくらしや状況が垣間見えます。
1時間に1本しかないような駅からスーツ姿のビジネスマンがそこそこに人数乗り込んできたり、観光地でも温泉街でもなさそうな駅前にホテルが数件もあって驚いて、後から調べると工業団地があったり、大手企業の工場があったり。
学生さんが大量に乗り降りするなと思うと、周辺に大学や専門学校がひしめく一画があったり。
あるいは日本テレビ系の「ケンミンSHOW」でも取り上げられたりしている、地域で根強いトレンドなどにも触れる機会があり、その地域の暮らしがなんとなく感じ取れることも醍醐味ではないかなと思います。
セミナーの主催者が県庁、市役所、商工会議所だったりすると、地域の企業や店舗さんの参加も多いですから、こうしたことを会場到着前に少しでも見知っているだけでも会場での皆さんとの交流温度も上がる気がしているので、とても大切にしていることです。
地域のコンビニがおもしろい
競争激化の中、コンビニエンスストアもローソン、セブンイレブン、ファミリーマートの三強に統廃合が進んでいますが、北海道で圧倒的な支持を得るセイコーマートなど地域で強いコンビニもまだまだ元気なところもありますね。
大手コンビニでも、ご当地メニューや地域限定おにぎりやお弁当も旅の楽しみですが、コンビニの棚も同じブランドでも店により個性ありますよね。
大きな公園の前だとボールや縄跳びがあったり、住宅街だとアンパンマンや食玩などお子様向けの駄菓子類の商材が充実していたり。
オフィス街で文具が豊富と思いきや、お子様向けの商品が多いコンビニがあると、ビルの裏手に古くからの住宅街があったりして。
ある都市部のコンビニで店員さんに聞いたら、仕事帰りにお子様にお土産として駄菓子や食玩などを買い求められるというニーズもあるということも、なるほどなと思いました。
その他にも個性豊かなコンビニは多く、時々ガンプラとかが並んでいると、オーナーさんガンオタなのかなとか。
歴史をたどると地域のたばこ店や酒屋さんがコンビニのFCになって業態転換を図ったお店も多く、クラフトビールや日本酒のラインナップがすごいお店も時々twitterなどで話題になったりしています。
その他にも薪があったり、釣り竿や釣具が充実していたり軍手やスコップなど園芸用品が豊富なコンビニ、融雪剤がうず高く積まれていたりと、コンビニの棚で周辺地域の様子が伺えることは学びにもなりますし、そうしたところにグーグルマイビジネスなどローカルSEOを向上させる上でのヒントがたくさんあるんですよね。
ECサイトだけではなく、地域密着型のビジネスを展開される方も、今一度、事業所や店舗があるエリアを散策してみると、思わぬ発見があるかもしれませんね。