思い出の祖父母の家が更地になっていた。
2023年10月13日、富山県で始まった全7講座が行われる「とやまECプログラム」のDAY1に登壇してきました。
2018年、親類の結婚式で両親の故郷である鹿児島を訪れた際、25年ぶりに見た父の生家は、遠縁の方に貸していたのですが、その方も亡くなり廃屋に放火の危険性などを鑑みて行政の指導により更地にされていました。
写真がその時のものです。立派な縁側、広い土間、五右衛門風呂、離れにある蔵、思い出の詰まった祖父母の家が見事になんにもなくなっていました。
この更地を目の当たりにした時、自分の中で何かが変わるような気がしました。
もし、自分があと5年早くECやWEBの活用を地方に伝ることを始められたら、そんな体験をする人を1人でも減らせたかもしれない。
でも、自分1人動いたところで何も変わらないかもしれない。
それでも「変えられるかもしれない」があるなら、自分は駈けてみたいと強く思うようになりました。
楽天市場が誕生し26年。新卒→定年のいない業界。
当時はアパレル業界にいて、卸売、店舗、EC、そして少しずつ他社のお手伝いを始めていましたが、地方への登壇が少しずつ増えるに連れ、地方のEC化率を高め、地産外商をすることで地方に人を根付かせたいという想いが強くなりました。
そうして2020年1月に会社を作りました。
創業直後にその直後にコロナ禍が来て、やりたかった地方へ赴くこともままならず3年が経過しました。
専門学校ではゲーム制作を専攻していましたが、当時、ゲーム業界を目指し就活をしていた頃、良く言われた言葉があります。
「ファミコンが誕生して15年あまり、まだ新卒から定年した人がいない若い業界である」と。
日本のECを牽引し続けてきた楽天市場が1997年に誕生して2023年26年、ECもその時と同じく、90年代後半に新卒で入った人が定年退職していない業界です。
とは言え四半世紀が経過した業種となりました。
地方にいながら事業を次世代につなげる。
地方からECで外貨を稼ぎ、それを二世代三世代と繋げることは、地方に雇用を生み、人を土着させることにつながる。そうしたらもっと日本は元気になれるはずと考えてきました。
発信していたら何かあるかもと続けていた時、鳥取市の移住・定住ポータルサイト「とっとりコネクト」のお手伝い、鳥取銀行との「ビジネスマッチング連携協定」締結、地方創生事業などのお声がけをいただくようになりました。
2021年2月、会社を作って1年、コロナ禍真っ只中、そんなときに楽天の地方創生事業部さんを通じて声をかけてくださったのがブ「富山県eビジネス推進協議会」さんでした。
年度にして3年目、数えること4回目の登壇でようやく富山に行くことが出来ました。他県に比べ圧倒的にゲスト講師も多く、かつ継続している富山県の熱量を現地に来て肌で感じる事ができました。
心底、自分がやりたかったのはこれだったんだと震えるような時間をいただきました。
1人ではなにもできない自分は、本当にまわりの方に支えられて推挙いただき今があり、そうしてやりたかった真の地方創生の端っこに爪を立てられたのかもしれないと思います。
そんな皆さんに「ようやっとる」とほくそ笑んでもらえるような仕事を続けることが恩返しと思います。
メルカトル図法の地図を見慣れているせいで、日本は小さな島国だと思われている方も多いと思いますが、陸地面積で言えば日本は63位、ドイツが64位。
意外とおっきいんですよね。そんな中に47都道府県があるわけで、日の目を見ていない特産品、銘品はまだまだあるはず。
それらを一品でも多く、EC、ふるさと納税、SNSを通じて発信していくことが日本の未来につながるんじゃないかなあとも思います。
ということを長々と書き出したくなるほど、富山に行けてよかった。
「とやまECプログラム」での自分の登壇は2023年11月1日にもオンラインでDAY2がありますが、富山の皆さんとは引き続き交流をしていきたいと強く思います。