2025年6月展開Googleコアアップデートの所感【June 2025 core update】

2025年2回目のコアアップデート

Googleは日本時間2025年6月30日金曜日23:37に今年2回目となるコアアップデート「June 2025 core update」をリリースしました。

本記事を書いているのが2025年7月6日なので、1週間ほど経過したことになります。
その時点で感じていることをまとめていきます。

コアアップデート開始は、公式X(Google Search Central)で下記のようにアナウンスされました。

日本時間でもうすぐ7月1日になる、6月30日23時37分にコアアップデートのアナウンス。

これまでの公式Xに加え、最近ではLinkedInでもアナウンスされるようになっていますが、こちらの方がやや詳細な説明になっているのも特徴です。

Xでは「本日、2025年6月のコアアップデートをリリースしました。ロールアウトが完了したら、ランキングリリース履歴ページを更新します。」という簡易な説明に対し、LinkedInでは下記のような内容になっています。

本日、Google 検索の 2025 年 6 月の基本アップデートをリリースしました。

これは、あらゆるタイプのサイトの検索者にとって関連性が高く、満足のいくコンテンツをよりよく表示するように設計された定期的な更新です。

ランキングのリリース履歴ページは、ロールアウトが完了し次第更新されます。

Google LinkedIn

特記されている内容はなく「定期的な更新」にとどまる旨がLinkedInとXの違いですね。

ただ、ステータスダッシュボードでは、慣例的な「2週間程度」の期間に比べて、長めの「ロールアウトが完了するまでに最大3週間かかる場合があります。」と記されており、展開完了は2025年7月21日頃となりそうでしょうか。その後、いつも通りなら順位が安定して落ち着くのは8月に入った頃となりそうです。

特記事項がないので、2025年1月23日に更新されたガイドラインに沿って運用・更新をされているサイトではまず心配いらないものと思います。

過去には、コアアップデート(かつてはコアアルゴリズムアップデートとも)が始まると、X(当時のtwitter)ではSEO界隈からの阿鼻叫喚で溢れていましたが、海外では大げさなGIFと共にそうしたポストがされているものの、国内のSEO関係者は随分落ち着いて構えている印象もします。

予兆は6月中頃からあった!?

ここ最近のコアアップデートでは、本番アナウンスの前に順位の変動が上がり下がりをして、凪いだ後に展開が開始ということが続いていました。

今回も6月15日~28日かけてそうした動きがありました。コアアップデートの数日前に静まり返り、その後に大きく跳ねて、コアアップデートが開始されるこれまでの動き通り。

6月15日頃に、アプデが近いのではないかと予想していましたが、22日頃の山では展開がなく、26日の沈み込みのあとの30日に展開という感じになりました。

YMYL領域でも静かな滑り出し

コアアップデートが実施されると、いつもは金融・医療系のYMYLや求人・就職系のサイトで大きく動く傾向がありますが(当社のクライアントでは)、今回はそうしたYMYLジャンルでも静かな動きだと感じています。

そこからも「典型的なコアアップデート」と言ってもいいのかもしれません。
ただ、これも当社のクライアントになりますが大手医薬品メーカーではコアアップデート直前と比較して、展開開始後にSearch Consoleの平均順位が7月1日の9.6位から7月3日7.5位と2.1ランク上がっている初動でした。この結果には、ひとまず胸をなでおろしているところではあります。

Search Consoleの平均順位が7月1日の9.6から7.5に上昇したサイト。

LLMO時代のブランド力は重要か

今年最初の3月のコアアップデートの際には、大型ECサイトが急落したことをお伝えしました。この記事はXでもポストいただき、これはどこかという特定で盛り上がっていただいたのは少し嬉しかったです。

その記事はこちら。

3月のコアアップデート週雨量後には大手ECサイトが急落したことをお伝えしました

では、今回のアップデートを受け、そのサイトがどうなっているかというと、下図の通り復調を見せています。

3月のコアアップデートで大打撃を受けたサイトは副長の兆し。

AI時代のSEO、色々な言葉が生まれていますが、今回は代表的にLLMOと記します。
そのLLMOの時代には、ブランド力や指名検索が重要であると示す専門家が多いように思いますし、私も指名検索獲得が生成AIでの引用、AI検索時代には不可欠だと感じています。

当社のクライアントにも業界NO.1や国内シェアトップ、テレビ放映が多い企業が複数社ありますが、そうした動きはじわじわと感じています。

中小企業でも、そうした自社の強みを尖らせていく施策の重みは増していくことでしょう。

新興サイトも人力コンテンツで爆速成長

下記は今春誕生したばかりのサイトですが、ローンチから3ヶ月ほどで検索からのインプレッション、トラフィックを非常に多く獲得しています。

AI100%記事のコンテンツを量産していたサイトがSearch Consoleに手動による対策のアラートを受け、修正を行ったところ、トラフィックが回復したという事例が報告されていました。

1月に更新されたガイドラインにある通り「独自性」や「正確性」に「自分のスキル」を用い「労力」をかけていくことも非常に重要になってきていると感じます。

SEOはSearch Everywhere Optimizationに

「Search Everywhere Optimization 」数年前に提唱された言葉として見かけたことがありましたが、生成AI、AI検索時代の台頭により再び注目されています。

従来のSEO「Search Engine Optimization」から、あらゆる場所での検索を最適化していこうというものですね。

検索エンジン、SNS、動画プラットフォーム、生成AIとサイトへのアクセスにつながるサービス・ツールが増えている中で、あらゆる場所に対応していこうという流れはとても腑に落ちます。

大手のように企業名、ブランド名、商品名のような指名検索を初手では獲得できなくても、ハウツー、ノウハウ系のコンテンツがAIで引用され、アクセスをつくり、指名検索につながるようなコンテンツマーケティングはますます重要になると感じています。

TikTokなどのショート動画でインプレッションを取り、そこから気になった商品やサービスで指名検索を獲得していくのも重要になるのではないでしょうか。

奇しくもコアアップデートの展開開始日と同じ2025年6月30日にTikTokショッピングが日本でも始まりました。

これまでのように検索エンジンからの検索、広告の流入だけではなく、あらゆるメディアで接点創出を行い、アクセスを生み出していくことが重要になると感じます。

コアアップデートに騒がず、慌てず、ユーザーのためのコンテンツを生み出していけば大丈夫と信じ、その上であらゆる場所に自社を自店を露出していくとに尽きるかなと思います。

この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
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