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2024年3回目 3ヶ月ぶりのコアアップデート【November 2024 Core Update】
Googleは、2024年11月12日の5:33(日本時間)に、Google Search Central公式X(旧Twitter)でコアアップデートのリリースを発表しました。
今年2024年のコアアップデートとしては3月、8月につづく3回目となります。
今回のアナウンスでの所要期間は2週間ほどということなので、11月末までには展開完了しそうですね。
コアアップデートの実施は年に3~4回であることが多く、春、夏、秋(冬)に1回ずつといった印象もあり、近年では年内最後のコアアップデートはブラックフライデーからホリデーシーズンのはじまる直前に実施されることが慣例となっている感じでした。
年内のコアアップデートは確実視されていた
10月30日、SEARCH ENGINE ROUNDTABLEに「検索ランキングのアップデートが間もなく実施されるが、HCU の被害者は回復しない可能性あり」といった寄稿もありましたし、今年はアメリカ大統領選もあり、それが終わった後に年内最後のコアアップデートは来るだろうと仲間内でも話していたところでした。
それでも11月25日~12月5日の間ぐらいではないかと予想していたので少し早い印象はありました。
前回の大統領選では最終結果が出るまで長引き、その間も真偽の定かではない情報が錯綜したこともありましたが、今回はすんなり決着がついたためか、コアアップデートも前倒ししたのかと思うほどではありました。
11月をまたぐ月末月初から、複数のジャンルでやや動きが激しいことは確認されていましたし、
検索結果のページ切り替えボタンの前後に位置する10位~11位、20位~21位あたりのページが検索結果から消えるような不自然な状況もあり、コアアップデートが近いことは多くの人が予想していたと思います。
コアアップデートから1週間、動きが多かったのは?
本来であれば、コアアップデート実施直後~数日の所感を記したかったのですが、今回は出張が重なってしまい、6日目となる024年11月17日時点での振り返りを含めています。
所感はあくまで当社のクライアントおよび、検索順位の観測依頼を請けている範囲内のサイトのお話で、今回のコアアップデート全般の動きを示すものではありません。
今回のアップデートでは、特定のジャンル、規模感で初動が大きい印象がありました。
そのため12日の朝から「検索順位が急落した」「主要ページが検索結果に見当たらない」などの問い合わせが相次ぎました。
しかし、その一方で「1位だったページが2位になった」「5位から3位に上がった」というご連絡もありましたが、細部な上下については、心配しないでくださいと下記のGoogle検索セントラル「Google 検索のコア アップデートとウェブサイト」のページをお送りしていました。
・順位の低下が小さい(2 位から 4 位に下がった)場合: 抜本的な対策を講じる必要はありません(実際、すでにパフォーマンスが良好なコンテンツに変更を加えないことをおすすめしています)。
Google検索セントラル
・順位の低下が大きい(4 位から 29 位に下がった)場合: より詳細な評価を行ってください。
上記の通り、Google公式もわずかな順位の変動については対策不要とアナウンスしています。
にも関わらず、毎回毎回「抜かれて2位になった」「すぐに3位から1位にしたい」といったお問い合わせが相次ぐことには、さすがに「何度も言いますが・・・」となってしまいますね。
話を戻しましょう、では今回の初動に感じた「 動きが大きかった特定のジャンル、規模感 」とはどういったものでしょうか?
【大きく下がった】
1:大企業の一般名称の商品ページ(あくまで例:靴下、炭酸水、パソコンのようなもの)
2:8月のコアアップデートの後、過剰に評価されたと思しきコンテンツ
【大きく上がった】
3:そのサイトや企業自体が無名でも、オリジナルコンテンツが豊富だったサイト
4:8月のコアアップデートから下落が続いたコンテンツ
そしてYMYL領域、当社のクライアントでは病院や医薬品メーカーではほぼ動きがありません。
と言った感じです。
1:大企業の一般名称の商品ページ(あくまで例:靴下、炭酸水、パソコンのようなもの) の事象のサイトは下図のような感じ。コアアップデート展開直後に大きく下落し、その後数日かけて回復。当社のクライアントが業界6位で手掛ける商品の一般名称による動き。
一方、業界1位は年商が兆を超える規模の企業では12日の朝に90位近くまで下落、現在も80位~90位あたりで推移しています。
当社のクライアントでは11月12日の朝には業界1位とシンクロするように80位近くまで下がり、そこにはアメリカの大手サイト複数も前後に位置する異例の事態になっていました。
当社のクライアントでは80位→15位ほどまでには戻っています。それでもコアアップデート前ほどは回復していませんので、落ち着かない日々であることは間違いないのですが。
2:8月のコアアップデートの後、過剰に評価されたと思しきコンテンツ
これは前回のコアアップデート完了から「そう長くはないだろう」と思っていたコンテンツです。オリジナリティが高くヘルプフルコンテンツと胸を張っていいものではありましたが、競合他社の下落具合が不思議に思うほどだったので、やはりそうなってきたかという感じがします。
3:そのサイトや企業自体が無名でも、オリジナルコンテンツが豊富だったサイト
4:8月のコアアップデートから下落が続いたコンテンツ
の顕著な例が下記のような動きです。
8月のコアアップデートの直後から下落が続き、10月半ばに大きく跳ね上がるも再度下落が続いていたサイトです。10月のときにコアアップデートがき来たかと思ったほどの動きに喜んだのもつかの間、2週間後には再び下落傾向に。
そして今回のコアアップデートで再び跳ね上がった印象です。
一方、当社のクライアントではほぼ動かなかった印象のYMYL領域ですが、象徴的なものが下図のような動きです。
5~6年ほど前に開設された医院の治療法に関するページです。
2024年3月のコアアップデートの後に急落し、その後も不安定になっていたページですが、5月後半から2ヶ月ほど完全に順位がつかないような位置にまで下落していました。
8月にページを改修した直後に8月のコアアップデートが実施され検索順位が回復、その後は乱高下する時期もありましたが、今回のコアアップデートで再び順位が回復傾向に。
理事長の見解によるコメント、詳細な画像、最新のデータ、引用元の記載、医学的エビデンスの追加などを行いました。
8月のコアアップデートで不十分だった部分に光?
9月6日、SEARCH ENGINE ROUNDTABLEの記事になっている、ダニー・サリバン氏のインタビュー記事の中の一節です。
素晴らしいコンテンツを作っているのに Google 検索でそのコンテンツが評価されていないパブリッシャーに対して、あきらめるべきではないと語りました。
9月6日、SEARCH ENGINE ROUNDTABLE
「本当に良いコンテンツを作っているのに、この前回のアップデートで十分に評価されなかったと感じている人は、もうだめだと思ってはいけません。
なぜなら、私たちの目標は、良いコンテンツを作っているなら、成功してもらいたいからです。そして、私たちが十分に評価できていないのであれば、それがこの前回のアップデートで改善されることを期待している点の一部です」と彼は私に語りました。
「私たちは、今後のアップデートでもその道を歩んでいきたいと考えています」
当社のクライアントと、その業界における大企業や有名ブランドの一部をみると、現時点では後者に必要以上のダメージがあり、コツコツと唯一無二のお役立ちページを作成、発信していた前者が報われているように見えている気もします。
それでも、ダニー・サリバン氏の語っているところには信憑性を感じる動きであることも確かなのではないかと思っています。
ただ、現時点ではそれが強すぎる部分もあり、小規模サイトや独立サイト、個人のサイトへ傾倒しているのが初動なのかもしれません。当然このままでは終わるわけもなく、大企業のサイトも浮上してくるでしょうから、肝心なのは11月松野展開完了からしばらくの経過でしょう。
それでも結局は、何度も何度でも
「Write for your users, not Search.」
検索のためでなく、ユーザーのためにコンテンツを作成する
ことに尽きるのではないでしょうか。