2024年12月のGoogleコアアップデートの所感【The Dec. 2024 core update】

2ヶ月連続、終了から1週間に再びコアアップデート

Googleは、2024年12月13日の0:46(日本時間)に、Google Search Central公式X(旧Twitter)でコアアップデートのリリースを発表しましたが、驚きだったのは、その1週間前12月6日3:36に11月のコアアップデートが展開完了したばかりで、わずか1週間後に展開を始めるという異例の事態でした。

2024年12月のコアアップデート【The Dec. 2024 core update】は、12月13日に展開が始まり、6日後の12月19日4:00に完了しています。

11月のコアアップデート終了からわずか1週間後に再びの展開には驚きの声も多数。

さらに日本時間12月20日2:02にはスパムアップデートも始まり、過去には避ける傾向があったホリデーシーズンも関係なしという感じになっています。

驚きの声は、X(旧Twitter)で「コアアップデート」や「コアアプデ」等で検索いただくと、ポジティブ、ネガティブなポストで確認いただけると思います。

Google Search Status Dashboard のアナウンス。2024年は7回のアップデートが実施されました

2024年11月のコアアップデートは2週間程度の予告に対して、展開完了まで23日半を要しており、またその結果も当社のクライアント的には決して納得の行くものではありませんでした。

年内の再調整はあるかもしれない雰囲気はあった

ここ数年のコアアップデートでは展開完了後も順位の動きが乱高下し、2週間後ほどして再度大きく動き、その後に落ち着いていくという動きがあり、12月6日の完了後も同様の動きでした。

しかし、その乱高下期間にあっても、どうにも解せない動きが散見されており、年内に再調整はありそうと踏んでいました。

この感想や観測結果は、当社のクライアントを中心とした競合大手やベンチマーク先との比較を基にしたもので、今回のコアアップデートについて断言するものではありません。

ひとつは、E-E-A-Tが壊れたような結果です。
プライム上場の企業、当該ジャンルで国内トップブランド、業界シェア1位クラスのサイトにおいて、専門家によって執筆された代表的な一般商品名等のクエリ。

根拠や試験結果なども提供しているような明らかに高品質のコンテンツなのに、なぜそこまで落ちるのか、落ちたままなのか?という疑問が多数残りました。

中には、業界1位の企業で80位近くまで下落し、そのまま動かないというコンテンツも。

もうひとつは、ワードの解釈のズレです。
たとえばですが「カレーのことなのに、シチューと混同していないか?」というレベルのものもあり、すごく雑な検索結果になっているものも見受けられました。

そして、ここ数年「コアアップデートでこのサイトが上昇すると大抵ダメ」という指標にしているサイトがあり、今回もコンテンツの検索順位が急騰によるオーガニック流入が急増していた動きがあり、年内に再度調整があってもおかしくない、むしろあるべきだと踏んでいました。

最近のコアアップデートのリトマス紙のようにみているサイトの動き

上図は、一次情報が過大評価されることによって急上昇したと思われる動きですが、E-E-A-Tは乏しい、YMYLジャンルでも信用にならない情報が多いサイトのため、健全な検索結果とは言えないものという印象でした。

12月のコアアップデートは6日で完了、その結果は?

11月も12月のコアアップデートも2週間程度という予告で始まりましたが、11月分は23日、12月分は6日で完了というアンバランスな日数からも、11月はアップデート自体に時間を要し、12月は調整という感じがします。

この記事は12月19日にコアアップデートが展開完了し、5日後の2024年12月24日に執筆していますが、2ヶ月連続のコアアップデートで特徴的だったのは下図のようなサイトです。

11月~12月のコアアップデートで特徴的だったサイトの一例

このサイトは、歴史もあり、ブランド認知度も高く、メディアで紹介されることも多数のD2Cブランド。その取扱商品の一般名称での順位の動き。

11月のコアアップデートで乱高下を繰り返し、12月6日の展開完了で著しく順位を落としていますが、12月のコアアップデートで反転し、12月19日の展開完了時に踊り場のようくぼみができ、その後の数字あいだではゆるやかに上昇傾向にあります。

このままいけば、11月初めの頃の順位まで回復するのではないかと期待をしているところです。

このように、前回、今回のコアアップデートでは当社のクライアントにはなかなか厳しい動きがあり、担当者さんが不安になることもままありました。

しかし、日々の微細なアップデートは繰り返されていることも踏まえ、コアアップデート前後だけでみるのではなく、少し中長期で観測することが大事ではないかと思います。

今回のように年末商戦、クリスマス商戦によって検索順位が乱高下することによって、流入が減少することは業績へ直撃することもあるのでもちろん気が気ではありませんけれども。

今回こそ健やかに最適化されていくことを切に願います。

SEOのOはOptimization、最適化ということを何度も何度でも

「SEOが上がる・下がる」という言葉に対しては「ギガが足りない」とか「セレブ(お金持ち)」というような本来の意味とは違う意味の単語に置き換えられているようで、個人的には違和感を覚えます。

SEOは特定のキーワードで1位を取ることが目的ではないと思います。
1位にこだわる理由もわからなくもないのですが、月間数万回を超えるビッグワードの中には、1位を取っても数百の流入しか獲得できないものもあります。

「野球」→「野球 選手」「野球 ゲーム」のように、そのワードから派生するロングテールが多く、まるで異なるワードになるものも多数ありますし、ゲーム内のアイテムと現実世界の商品のようにかけ離れたものになるワードもあります。

検索の多くが2~3の単語の組み合わせで行われているデータもありますし「◯◯ おすすめ」「◯◯選び方」のような商品やサービスの入口になりうる、ユーザーにとっての役立ち情報「ヘルプフルコンテンツ」を心がけることに間違いはないと思います。

ECも実店舗も同じ。親切な接客を心がけること、コンバージョンに目を奪われ売り売りになってユーザーが求めている情報が欠落しているようなサイトにしないことが重要だと考えています。

自信を持って「あなたが探しているそれは私達が取り扱っていますし、その専門家なので何でも聞いて下さいね」というコンテンツを用意していくことではないでしょうか。

最近は越境ECで英語版のコンテンツでSEOに従事することも増え、この2ヶ月連続のコアアップデートでは新たに気づいたこと、学びも多くありました。

記事では書ききれないので、2025年、既に決まっている登壇を通し、シェアしていくことができればと。

この記事を書いた人

酒匂雄二(さこっち)

株式会社ユウキノイン代表取締役。大阪府吹田市の生まれ育ち。大阪・関西を中心に中小企業、ECサイト(ネットショップ)のSEO、検索対策、WEB集客、SNS活用、コンテンツマーケティング、クラウドファンディング活用を支援しています。EC講座の講師やセミナー・イベント登壇もしています。
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